独立初期のマル秘営業テクニック
2025年一番顧客を増やした出水さん登場
はじめに
士業として独立したものの、顧客がなかなか増えないという悩みは多くの人が抱えています。今回紹介するのは、監査法人から独立し、わずか2年で顧客数を急増させ、会計ソフト「freee」が主催する新人賞を受賞した公認会計士・税理士の出水さんです。彼は顧客ゼロからスタートし、1年間で顧客数を最も伸ばしたという快挙を達成しました。その秘訣は、特別なスキルや人脈ではなく、量と継続、そしてフットワークの軽さにありました。
キャリアと背景
出水さんは2018年に公認会計士試験に合格し、その後監査法人で約3年半勤務しました。一般監査を担当し、キャリアを積んだ後、2022年に退職してオーストラリアへ留学します。約1年半の海外生活を経て、2023年に帰国し、ゼロから「SoNiC会計事務所」を設立しました。ここで重要なのは、前職の顧客を引き継ぐことなく完全に自力で顧客を獲得したという点です。
SoNiC会計事務所の特徴
出水さんの事務所には三つの大きな特徴があります。第1に、親身に寄り添う姿勢です。スタッフは30代が中心で、若手経営者にとって相談しやすい雰囲気を重視しています。第2に、迅速な対応です。「一晩寝かさない」をモットーに、24時間以内に何らかの回答を返すことを徹底しています。スタートアップや中小企業のスピード感に合わせるため、即応性を重視しています。第3に、能動的な提案です。節税対策や資金調達など、言われたことだけをこなすのではなく、先回りして選択肢を提示するスタイルを取っています。
営業戦略の核心は「足で稼ぐ」
顧客ゼロからスタートした出水さんが選んだ方法は非常にシンプルでした。それは、経営者が集まる交流会に積極的に参加することです。週に6回という驚異的な頻度で経営者イベント・交流会に足を運び、名刺を配りながら「困ったら連絡してください」と一言添える。この地道な活動が顧客獲得の第一歩となりました。さらに、交流会で出会った人が次の交流会を主催していることも多く、そこから枝分かれするようにネットワークが広がっていきました。特別な人脈や前職の顧客引き継ぎは一切なく、ただ「とにかく行く」というフットワークの軽さが鍵でした。
再現性はあるのか
この方法は誰でも実践可能です。ただし、量をこなす覚悟が必要です。週6回の交流会参加は簡単ではありませんが、やろうと思えばできることです。最初の一歩が難しいだけで、最初の交流会は先輩会計士の紹介でしたが、その後は自力で広がっていきました。LINEなどややクローズドな媒体で告知される交流会も多いため、初めの一件目にアクセスすることが大切です。
顧客獲得のフェーズ
初期段階では、交流会に参加して名刺を配り、顧客ゼロから1件ずつ獲得していきます。顧客が20社から30社程度になると、紹介によって顧客が増えるフェーズに移行します。この段階で重要なのは、目の前のお客様を大切にすることです。紹介は対応が良いことが前提であり、一件一件丁寧に対応することが次の顧客につながります。
独立を考える人へのメッセージ
自由を求めるなら独立を選ぶべきです。安定よりも自由を重視する人に向いています。また、勤務時代に学んでおくべきこととして、ビジネスマナーやコミュニケーション力が挙げられます。相手の気持ちを考える習慣は必須です。そして、失敗してもなんとかなるという覚悟を持つことが大切です。後悔しない人生を送るために、やりたいことに挑戦する価値は非常に大きいです。